<概念工学>宣言!哲学×心理学による知のエンジニアリング (本)
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キーワード
工学とは人間に有益な人工物を設計することである
人権などと云った概念もまた,人が作った人工物である 一方この本は,既存のものへの振り返りではなく,
新しく作るところに目をおいた
哲学とは概念を研究することと哲学とは概念の想像/改定することには微妙にズレがある
古典的には,ある人(S)が何か(p)を知っているとは次の3条件を必要条件とする
1. 信念であること,Sはpと信じている
2. 信じられている事柄が真であること,pは真
3. 証拠を持ってそう信じられていること,Sにはpを信じるに足る証拠がある
そうか?
演繹が絡んでくると古典的知識の条件に合致するのに,意味不明な(到底知識とは言えない)ものを反例として提出できる
SnO2WMaN.icon真の使い方がザックリしすぎてすごい
真理の供給源と正当化の供給源が合致していない
3条件に次の因果条件を追加する
4. Sのpという信念は,pという事態が原因となって引き起こされた
pという信念がpが原因で引き起こされたことを,Sが知っている必要は必ずしも無い
証拠を正当化するための証拠(根拠と言い換えれば分かりやすい気がする)
証拠を正当化するための証拠を正当化するための証拠
…
Sの信念pは信頼の置けるプロセスによって形成された
信頼の置けるプロセス
主体の喪失(ここではS)
Sがpを知っている ⇔ Sの信念pがpという情報によって因果的に引き起こされた
ここまで来ると,「知識とは何か」という分析から,「知識とはこうである」という改定/創造になってくる
道徳的責任とは何か?
なにか別のもので代替出来ないのか?
代替出来たとして,社会はどうなるのか?
責任概念を弱化,消去することを思想した人々
道徳的責任とは社会を幸福にするためのフィクションである
反論:弊害も目立つし,そのうち廃れうる
道徳的責任の良い機能とはつぐないの分配である説
これに根拠を求めると,自動運転の事故は保険でカバーすべきだという意見がある 方法論的雑種性
概念工学を検証するためのあらゆる実験は,別に哲学の領域に関係しない分野から持ってきてもOK
統計学
心理学的実験
節操のなさ
SnO2WMaN.icon逆に今までしてこなかったんだ
概念工学は社会を幸福にするための概念創造が第一目標 哲学的問題は,そのステップに過ぎない
結局の所,概念とは何か?
3説
1. 心的表象説
反例:個人差がありすぎ
2. 能力説,そうでないものと区別する能力こそが概念
3. 客観的な抽象的対象
客観的だからこそ,同じ概念が人によって異なる表象がありえる
概念はより要素的な概念から成り立つ
1. 複合的な概念は,その必要十分条件を満たす要素的概念から成り立つ
数学の概念的,ただし,そんなに無い,普通は違う
2. ある概念について典型例があり,ある事物がどれだけその典型例に類似しているか
3. 理論説
類似説ではなく,ある概念には何かしら隠れた本質が存在する
これを取ると,概念には何かしら正解があって,ただその正解を掴み損なっているということもありうる
他方,心的表象説を取るなら,概念には正解はない可能性もある
その他実験的手法とかでも相性が良い